口蹄疫なぜ拡大
2000年に発生した北海道での口蹄疫感染で、発生農場が3か所、殺処分も牛35頭にとどまった成功体験があだとなって被害を最小限に抑えられるという発想が戦略転換のタイミングを見逃したことになります。
当初、発生農家だけの殺処分で対応していました。転換期は10例目の4月28日でしょう。
県の畜産試験場の豚が感染した時点で戦略転換を図るべきだったのではないでしょか?
また今回ははるかに超える事態に発展したのですから、既存のマニュアルは通用しないと考える局面がありました。
韓国では、発生農場はもちろん、500m以内で検査することなく殺処分を行うといいます
思い切った策に踏み込む決断が公的機関で、しかも感染力の強い豚に飛び火した時点で必要だったと思います。
前回と同じ対応を取れば封じ込めると皆が思いこんでしまった。
方針転換を決断する戦略家が、見当たらなかったとの指摘も多い。
どこが主体的に指揮をとるのか不明確だった点も。
感染経路が判明していない以上、思い切って踏み込むにはトップの判断しかないでしょう。
家畜伝染病予防法の実施主体は、都道府県ですから、県が責任を問われることになるのですが、国がその立場にこだわりすぎた印象もありますね。
感染経路は解明されていませんが、初期には都農町から川南町に3~4キロ飛び火するように感染が広がりました。農場と接点のある人か物が媒介し、そこに一般人も絡みながら拡散したとみるべきかもしれません。
また密度も関係していると思います。飼育頭数を各発生自治体の面積で割って比較してみると、川南町はずばぬけて密度が濃い。
集中立地は飼料の調達や共同出荷などには、便利でしょうが効率化ゆえの弱点も抱えていると言えるでしょう。
ただ、最近発生した都城、宮崎、日向市の場合は、周囲は林などで隔絶された環境にあり最後まで気を緩めず消毒を徹底するしかなさそうですね。
今回の事態で、牛など大型の動物に対応できる獣医師不足の問題も浮かびあがっています。
1951年にできた家畜伝染病予防法の限界も指摘されています。
なぜ、政治や行政がうまく機能しなかったかも含め、事態が終息した時点できちんと検証されることを期待します。